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the Dog Whisperer(1)

その1 その2

the Dog Whispererthe Dog Whisperer
日本語版が出版される、と聞いてからもう何年も経ってますが、まだ出版されていないようです。

早く出してぇ~と願いつつも、一生懸命訳しました。
自分なりに訳したもので、少し違うところもあるかもしれませんが、こちらを参考にしつつ英語版を読んでいただけたらと思います(*^_^*)

本を買いたい方→こちらをどうぞ。








2.The Ten Keys to Effective Training

KEY1. Dog's Dinner

イヌ科の群れの中では、リーダーがいつも一番初めに食べる。この行動は、さかのぼってイヌの祖先であるオオカミから発生している。オオカミの一群の場合、群れのリーダー、つまりアルファオオカミが下っ端の狼たちを狩りに連れ出し、どうやって獲物を捕らえるか、またどのタイミングで獲物を攻撃するかを下っ端に教える。しかしながら、獲物を捕らえ射止めるやいなや、アルファオオカミ(たいていは、最も支配的なオスとメス)の他はみな、射止めた獲物から立ち去り、リーダーに最初に食べさせる。これらの“superiors(身分が高い者)”が獲物の最もおいしい部分を食べ、身分が下がるにつれ、だんだん残り物を食べることになる。

選択的品種改良を通して、ヒトはイヌの外見を彼らの祖先からうまく変えることに成功しているが、彼らの思考力は15%以下しか変えることができていない。ペットのイヌはほとんどの行動において、本能的に、先祖であるオオカミがしたように考え、行動する。特に、食べるという行動においてはそうである。

私たちが自分たちのイヌと分かち合う関係は、イヌ科を基礎とした関係になることが必要である。その一つとして、ヒトがいつもtop dog(トップのイヌ)を演じることである。あなたが群れのリーダーであるということをあなたのイヌに分からせるために、あなたの家庭でエサを与える時に、あなたは前述したオオカミの行動を真似る必要がある。あなたのイヌはいつもあなたの後に食べなければならない。これはあなたのイヌからより良い行動をさせる主な解決策であり、リストの最初のkey(キー)にした理由でもある。

あなたのライフスタイルやあなたのイヌのコンディジョンにもよるが、成犬には1日に1回もしくは2回、エサを与えるべきである。これに関しては、かかりつけの獣医さんに相談すべきが一番である。しかしながら、もし1日に1回のエサを与えているなら、夜に与えたほうが、たぶん最も効果的である。これは太りすぎでない限りである。この場合は、朝に与えたほうが体重の状態を改善する手助けとなり、摂取した食べ物を利用して一日を過ごせるからである。


Dinnertime
エサを与える時に、あなたが従う必要がある手順をこれから述べる。まず、あなた自身の食事を食べる前に、イヌのエサを用意してください。いつもエサを与える場所にエサが入った器を持っていってください。しかし地面に器を置くのではなく、イヌが届かない高い場所に置いてください。そのままその場を立ち去り、自分の食事を摂ってください。あなたが食事を終えたら、器を置いた場所に戻り、イヌにオスワリをさせ(オスワリができるイヌはさせてください。もしできないのならば、他にできるコマンドに従わせてください。)コマンドに従ったら器を下ろして食べさせてください。15分後にまた戻ってきてください。

もし完食しているなら器を取り去り、きれいに洗って片付けてください。しかし、エサが残っていたら、器ごと、高い場所(エサを置いていた元の場所)に置いて立ち去り、さらに時間を置いてください。その後また戻り、もう一度、器を下ろして、15分間与えてください。その後、もしまた残していたら、そのまま取りあげてください。エサは捨てるか、次の日に使ってもかまいません。

イヌにはその日はこれ以上、エサは与えないでください。この方法で、次のエサ、また次のエサと繰り返してください。

さあ、ここで私たちは何をしているのかを見てみましょう。
(A)イヌのエサを用意し、野生の世界で起こるように、イヌに待たせました。つまり、獲物は射止められたが、群れのメンバーは、階級制度に従って、自分たちの番がくるまで待たなければいけません。そして...
(B)私たちはフードボウル(器)によって時間の量をコントロールし、野生の世界で起こるように、思う存分食べられるチャンスは、たった1回しか得られない。

私たちは、イヌ科の自然な食べるという行動を、うまく真似ることに成功している。このエサを与える手順は、イヌにこう教えている。あなたがリーダーではなく、私がリーダーであると。この考え方のパターンは、その後、一般的な行動を通して流れるように動き、あなたの管理のもと、イヌの理解力が深まるだろう。



KEY2. No Rough with Rover

あなたのイヌに対するどんな種類の攻撃でも、軽く咬んだり、あなたを攻撃しようと噛み付いたり、あなただけでなくあなたの家族や友人、近所の人たちにも噛み付いたりする行動を促進する原因となりうる。子供たちはよくイヌと、押したり突き飛ばしたりいじめたりするような競争的なゲーム遊びをするだろう。イヌに攻撃性を促進する原因となるので、この行動はけしかけるべきではない。容赦しないイヌが噛むことの多くは遊びの中で起きており、このことは即座にイヌにこういったメッセージを送っていることになる。家族のメンバーたちを噛むことが受け入れられた、と。権力争い、あるいは他の群れのメンバーがテリトリーに踏み入らない限り、オオカミは普通は群れの他のメンバーに対して攻撃性を見せない。この場合、どちらかが立ち去るまで、両方のイヌが攻撃的に争うだろう。そしてその瞬間、争いの勝者は敗者以上により権力のあるメンバーであると証明され、それ相応に扱われる。あなたのイヌは事実、荒々しい遊びを権力への挑戦としてみている。いったん作用し、あなたもしくは家族の人たちが立ち去れば、自分はその人たち以上により権力があると判断する。その結果、家族の中のイヌの地位がどんどん上がっていく。

荒々しいゲーム遊びは攻撃的な行動を促進させるだけでなく、あなたのイヌから尊敬されなくなる。もしあなたのイヌがあなたを尊敬していなければ、その後あなたが弱い生き物であることに気づくだろう。そのイヌは自分自身のやりたいようにやり、あなたがして欲しいと思うことはやらなくなるだろう。これが悪い行動の始まりである。イヌの自然な環境において、尊敬しないということは許されることではなく、より地位が高い群れのメンバーはすぐさま、それらの地位を下に下げようとするだろう。

オオカミ同様に、イヌにとって遊びの時間は自然なもので、重要な活動でもある。ふざけてお互いを追いかけまわしたり、待ち伏せして木や岩の背後から飛び上がったりする行動が、オオカミの遊びの中でしばしば観察されている。オオカミは遊びの中から生活のスキルを学んでおり、それは本能的にイヌたちも同じである。そう、私たちのイヌにとって遊びは不可欠なものであり、またオオカミのように、他のメンバーの権力、忍耐、力強さ、ケンカのスキルなどをテストするために遊びを利用しているので、私たちの遊びには攻撃的でないものが必要であり、私たちが完全にコントロールする必要がある。


Dog Toys and Games
イヌ用おもちゃを2セット用意する必要があります-イヌが遊ぶ用のものが1つと、イヌと一緒に遊ぶためにあなたが使うものが1つ。リーダーであるあなたが、ゲームをコントロールする必要があります。

そこで、あなたは“ボール投げ遊び”(’throw the ball’)がしたい、と言いましょう。まず覚えておくべきことは、あなたが遊んでいないときでも、イヌにボールに近づかせないことです。このボールはリーダーのボールです。それはあなた、つまりリーダによって出し入れされます。あなたが好きなだけイヌにボールを投げてあげ、あなたが十分だと思えばゲームを止め、ボールを拾い、イヌが届かない場所に片付けてください。

イヌにボールを投げてあげている間、もしボールを持ってこなかったり、しがみついて放さないときは、イヌが権力争いを挑もうとこのゲームを利用しています。あなたにこう訴えています。“僕がこのゲームを仕切るんだ。お前は僕のルールに従わないとダメなんだ。”もしこういったことが起きるなら、あなたは3,4メートルくらいの長さのリードを首輪につける必要がある。ボールを投げて持ってこようとしないときは、単に魚釣りのようにリードを引っ張ってたぐりよせ、ボールを取り上げてください!もう一度ボールを投げ、あなたがこのゲームをコントロールしているんだ、ということをイヌが分かるまで、この手順を繰り返してください。

もしイヌが遊ぶ用のおもちゃを与えたときは、これはイヌのおもちゃであり、イヌだけで遊ばせてあげるべきです。あなたがイヌと一緒に遊ぶために使うおもちゃはどんな特別なものであっても、あなたがイヌと一緒に遊ぶまではワキヘ置いておき、遊んでゲームを終えたら、また片付ける必要があります。

“引っ張りっこ”(’tug-of war’)のようなゲームは、あなたにチャレンジさせるチャンスをイヌに与えるだけであるように思う。また、イヌを追いかけることは、あなたより優れているとイヌに思わせてしまう方法でもある。もし、あなたが取ろうとしているものをイヌが銜えて走り回っていて、あなたが追いかけている場合、あなたのイヌはこう考えるだろう。イヌはあなたよりも賢い。なぜなら、あなたはイヌが銜えているものを取れないのだから!

必ずイヌと定期的に遊んであげてください。これはすばらしい運動です。あなたもイヌも楽しめるだけでなく、お互いの絆を深めることにもつながります。ただ、どんなゲームをするかに気をつけてください。あなたのイヌは本能的に、ゲームを通じて、イヌとあなたの家族内の身分について学び続けています。オオカミのように、あなたの“群れ”のリーダーとしてのあなたのポジションをイヌに強化する重要なものとして遊びを利用することができる。



KEY3. In the Den

家の中で寝かせるか、外で寝かせるかはそれぞれが決めることであり、どちらでも構わない。あなたの生活環境によるものである。しかしながら、両方ともに、ある程度のルールがある。

もし外で寝かせることにしたならば、犬小屋が一番いいだろう。これをできる限り、裏門(back door)の近くに置く必要があります。なぜなら、イヌは群れで過ごす動物なので、寝る時間は特にイヌは群れのメンバーとできるだけ近くにいたがります。家から離れた所に置いてある犬小屋は、ほとんど使われないでしょう。雨の日や冬の寒い日でさえ、イヌはback doorのそばで寝るでしょう。ただ、あなた、つまり群れのメンバーの近くにいるためだけに。それ故、イヌに犬小屋を使わせたいのなら、あなたはただ犬小屋を買ってきてback doorのそばに置けばいいのです。このことはイヌに、あなたがいる場所の近くに自分自身のすみかを与えることであり、より幸せな、よりリラックスしたイヌにさせます。それに銜え、今度はより良い行動につながるでしょう。

イヌのベッドには、できるだけ何も置かないようにしましょう。私たちはよく、お古のブランケットや衣服をイヌのベッドに置こうとしますが、このことは時々、行動の問題を引き起こすということに気づきました。私のクライアントで、洗濯物にいたずらしてしまうワンちゃんに困った人たちがいましたが、そのワンちゃんの犬小屋には必ずといっていいほど、ブランケットや何かしらの布が置いてありました。このケースでは、庭にある布はどんなものでも、自分が使っていいものだとイヌは思ってしまうようです。そして、横になろうと、洗濯物を引っ張るようになり、次にそれらをかじり始めてしまい、その飼い主さんたちはどうしようもなく困りはててしまうでしょう!野生の世界のオオカミや犬たちは本来、ゴミや葉っぱや風で中に吹き込んできてしまうものなどは排除して、自分たちの寝床はきれいに保ちます。家庭犬の中には、この自然な本能が強く残されたものもいます。暖かくして快適にしてあげようと思って犬小屋に置いたブランケットや布を、イヌが取り去ってしまう場面をあなたがよく見る理由は、ここにあるのです。イヌたちは、あたかも“さあ、どうぞ。元の場所にもどしてごらん!”とでも言っているかのように、洗濯物を引っ張り、小さくバラバラに引きちぎってしまうでしょう。もし、どうしてもイヌの寝床に何かを置いて快適にしたいなら、麻布をおすすめします。何らかの理由で、イヌは他の素材のものよりもこの素材を受け入れることに気づきました。麻布をイヌの寝床に置いている飼い主さんは、ブランケットやお古の衣類を置いている飼い主さんよりも、洗濯物の問題が減っているようです。

もし家の中で寝かせることにしたならば、成功のための最初のルールは、確実にハウストレーニングをすることです。ハウストレーニングは、第6章で説明しています。

室内でのイヌが寝る場所は必要不可欠です。セキュリティー、若しくは親密さや絆のために、寝室で寝かせている、さらには同じベッドで寝かせている人たちがいるようです。しかしながら、この両方の行為は完全に適したことではありません。野生の世界では、群れのリーダーたちが最も良い場所で一緒に寝ます。オオカミの群れのメンバーたちは階級が高くなるにつれ、リーダーたち、つまりオスとメスのアルファオオカミのより近くで寝ることができます。私たちの寝室もしくはベッドでイヌを寝かせることによって、私たちはイヌに次のようなメッセージを送っていることになります。私たちはあなたを同等と見ています、と。不幸にも、イヌの自然な考え方には、同等ということはありえません。そして、より高い階級のポジションをすぐに受け入れるでしょう。もしイヌがどんな方法でもわずかに支配すれば、いずれは自分を群れのリーダーであるとみなし、その役割を果たそうと自分のやり方で物事を進めていくでしょう。その結果、扱うことがとても困難になってしまうでしょう。

イヌを愛しているならば、家の周りでの高い有利な立場を楽しませてはいけません。やわらかいソファー、ベッド、クッションなどの私たち人間の快適のために作り出されたものは、イヌの世界には必要ありません。イヌたちの生息圏は床であり、地面です。あなた、つまり人間が快適なものをイヌに使わせることは、あなた以上に支配的にさせることを不注意に促進します。 洗濯室もしくはあなたの寝室から離れた余分な部屋が、家の中で寝かせる場所として、一般的に適しているでしょう。



KEY4. High and Mighty

高さは、イヌ同士の関係知る方法ではとても意味のある要素である。イヌはしばしば、背が高いイヌ、低いイヌは関係なく、自分の高さを目立たせるあるボディーランゲージをすることによって、相手以上の権力を見せるだろう。イヌはしばしば、(構造上、許される限り)耳を直立させてシッポを高く上げ、また高くピンと立ったりして自分をできるだけ高くすることによって権力を見せつける。野生のイヌやオオカミの群れのリーダーはしばしば、座って自分の領域と自分と群れの下っ端たちを観察するために、より高い有利な位置に上ろうとするだろう。これは自然な群れのリーダーシップ本能の一部でもあるので、ライオンもしばしば、同じことをする。

私たちが飼っているイヌ、特により支配的なイヌはもっと高さを増すために、家のあらゆるものを使うだろう。イヌが群れの中での自分のランクを高く見れば見るほど、家具などや届く限りのあらゆるものに上ろうとするだろう。つまり、もちろん、ソファーやイス、テーブル、ベッド、高い階段、よく見られるのは庭にあるテーブルも意味している。だから、家の中でも外でも、高いものに上らせないことが、良い行動をするイヌになるために重要である。もし地面の高さでキープしていれば、あなたのイヌの行動は明確に良くなっていくだろう。

小さなぬいぐるみのようなイヌを飼っているクライアントたちに、自分たちがよければテレビを見ている間、イヌをひざの上にのせてもいいかどうかよく尋ねられる。私はこう言う。外見は、ベストフレンドと楽しむために、無邪気で愛らしくて可愛がりたくなるようなことかもしれない。しかしながら、どんなときでもひざの上にのせることは、どんな理由であっても、イヌが同等な存在であるということを理解させる明確なメッセージを単に送っていることになる。群れの形態では同等ということはありえないので、リーダー(アルファドッグ)として最も高いポジションとみなし、自分がしたいときにしたいことをするようになるだろう。これはもっぱら、飼い主を弱いリーダーとしてみているイヌの自然な反応である。

もしあなたのベストフレンドによい行動をさせたいのならば、私の提案はこうである。テレビを見ているときや座っているときは、あなたの横に連れてきて、床に座らせてあげてください。あなたのイヌはすぐにそこにいることに慣れて、一度これを受け入れれば、お互いがより良い状態になるだろう。あなたに反して、というよりむしろ、あなたのために自然な働きをしているでしょう。

もしあなたのイヌが家具に上がってしまう問題があるなら、あなたが家の中にいるときに単にイヌにリードをつけて、それを引きずるような感じで歩かせておいてください。そして、イヌが家具に上がったらすぐに、単にリードを持って、ゆっくりやさしくリードを引いてイヌを下ろしてください。キーワードは“やさしく”です。同時に、断固とした態度で“アッアッ(Aah aah)”と言ってください。また上がろうとしたときはいつでも、これを繰り返してください。そうすればすぐに、イヌは家具が使用禁止になったという事実を受け入れ、この悪い行動はなくなるだろう。落ち着いた攻撃性のない方法でこれをすることによって、あなたのイヌはすぐに学ぶでしょう。イヌの考え方は、あなたを優れた人(superior)として見るように作用し、その通り、あなたはそうなるべきである。

イヌに対して脅すことのない(non-threatening)方法とイヌの自然界に対する勉強をできる限り早くクライアントに取り入れてもらうと、より急速にイヌは飼い主さんが望むことを確実にするようになり、それを楽しむようになるだろう。



KEY5. Just Whisper

行動的な問題を抱えたイヌの飼い主さんに依頼されて家を訪ねたとき、私はこういうことに気付きました。飼い主さんのほとんどが従わせようと、イヌに向かって叫んでいるのです。飼い主さんはよく、イヌに座るように強く言って、イヌがそれに従わなかったときは飼い主さんはもっと声を荒げます。もしイヌがまだ従わなかったら、飼い主さんは怒鳴り始めます。これではもちろん、従うようにはなりません。こういう状況を見ると、私はある移民女性の話を思い出します。その女性の新しい国の地元のスーパーマーケットで、レジを通過するときのことです。カウンターの後ろにいた店員の若い女の子が、女性の会計が45ドルであると伝えました。女性は理解できていないようだったので、店員は声を上げました。また女性は理解できなかったので、店員はほとんど叫んでいるのと同じように、45ドルであることを伝えました。列に並んでいた男性がやってきて、その女性は耳が遠いのではなく、単に言葉が理解できていないことを店員に説明しました。このことはまさに、私たちがイヌに叫んでいる状況そのものです。イヌはあなたが怒っていることは分かっていますが、なぜ怒っているのかは見当も付きません。叫ぶ必要はないのです。ヒアリングの問題ではないのです。あなたがただ、正確に伝えていないだけなのです。

イヌは私たちの言葉を、2つの異なったパートで聞き分けています。声のトーン(tone)と音(sound)です。もし大きくて怒ったような声で「いい子だね」と言ったとしたら、あなたのイヌはあなたが怒っていると思うでしょう。逆に、低くてソフトな声で「あんたなんか嫌い」と言ったとしても、あなたのイヌはたぶんしっぽを振って、あなたがフレンドリーな状態だと思うでしょう。イヌとコミュニケーションをとるときに、私たちの言葉の音の強さややわらかさは、とても重要です。もし、イヌに正しいメッセージを受け取ってもらいたいなら、決して叫んではいけません。イヌが困惑するだけです。

イヌとコミュニケーションを取ろうとするときに人々が声を上げる、もしくは叫ぶ主な動機の一つは、イヌがコマンドに従わないときである、ということが分かった。飼い主は、力強く言えば、イヌが命令に従うと思っている。しかしながら、イヌが従わない理由は、コマンドに単語よりもむしろ文(sentence)が使われていることにある。例えば「ローバー、座りなさい。(Rover, sit down.)」イヌは私たちが言っていることを、単語ではなく音(sound)によって聞き分けているので、この文のコマンド(sentence-command)にある音は、イヌにとって正しいメッセージをはっきりと理解するには多すぎる。これは、一語のコマンドが重要であるという理由であり、この場合のより良いコマンドは単に「オスワリ(sit)」であろう。

人々がよくやってしまうもう一つの間違いは、コマンドの言葉を変えてしまうことである。これは特に、飼い主が一人ではなく家族で飼っている場合に、同じ命令内容にそれぞれが異なった言葉を使うときに生じるだろう。一人が「ここにおいて、ファイドー。(Come here Fido.)」(これには4つの音が存在する)と言ったり、他の一人が単に「おいで!(Come!)」と言ったりするかもしれない。

これらのたった2つの例えでさえ、私たちの一貫性のない言葉を通して、間違ったメッセージを伝えることがどんなにノイローゼのイヌを引き起こしているかは簡単に分かるだろう。私はよく、すごい行動的な問題を抱えたイヌの飼い主さんの家を訪れる。そして、コマンドを変えてしまうやり方がイヌを混乱させてしまっているので、庭を掘る、家のものを噛んでいたずらするというような転位行動(displacement activities)を引き起こしてしまう主な原因となっている。家族全員がたった一語の単語を使い、それぞれのコマンドに同じ単語を使うことによって、行動的な問題は急速に少なくなるだろう。

多くの場合、それは単純なことです。イヌの悪い行動のほとんどは、コマンドの言葉を変えることと同じくらいの悪意のないことのせいであり、そのことはほとんどの人たちがやっていることであるということに人々は気づいていません。

コマンドを変えてしまう理由は、どういうわけか私たちはイヌをあたかも小さな子供であるかのように見てしまうからだと私は感じます。ほとんどの場合、子供は2,3歳になると一般的に、わずかに言葉を変えても、その意味を理解するでしょう。しかしながら、イヌはそうではなく、イヌは音によって聞き分けています。発音によってではありません。あなたは絶えず、同じ単語を言う必要があります。さもなければ、イヌは困惑し、コマンドに反応しないでしょう。そしてこのときが、私たちがよく興奮状態になり声を上げ始めるときです。イヌは困惑状態になり、その困惑がストレスとなり、それ故に悪い行動的な問題がストレスによって引き起こされるのです。

イヌのしつけをする場所もまた、同じコマンドを使う成果に重要である。人々は私に、自分たちのイヌは「オスワリ(sit)」という単語をりかいしているのに、しばしばそれに従わない、とよく言います。イヌは庭では飼い主に従うでしょうが、他の場所では従いません。これらの人たちは、イヌは広範囲に適用できないということに気づいていません。もしあなたが、オスワリするように庭で教えれば、ある道路ではそれはできません。なぜなら、環境が変われば、イヌは違ったように物事をとらえます。だから、庭ではオスワリできていて外では座らないだけなので、イヌに向かって叫ぶのではなく、単に新しい環境でもう一度しつけをしなおしてください。そして、オスワリさせるために、あなたはささやくだけでかまいません。

野生のイヌやオオカミのコミュニケーションは、お互いの生息地域が近いときはほとんどが黙音です。ここに彼らが主にボディーランゲージに頼るという理由があります。全体のポーズとともに、耳やシッポの動きをともに合わせた一連の顔のジェスチャーのようなものです。下っ端の者を叱るとき、オオカミはうなるでしょう。遠吠えのような声高の音は、長距離でのコミュニケーションのみに必要とされます。

オオカミの方法を真似るために覚えておいてください。叫んではいけません。ただささやいてください。コマンドをささやくことによって、またイヌをしかるときに少しだけ声を上げることによって、イヌは自分がなにか間違っていることをしたときに、すぐに学ぶでしょう。第3章で説明しますが、イヌが間違った行動をとったときは、あなたの不満を声にするための犬の言語として「アッアッ!(Aah aah!)」を使ってください。これはうなっていることをイヌに思わせる人間の音です。こうすれば、ふしぎにも効果があることが分かるでしょう。より注意深く聞かなければいけないので、あなたのイヌはコマンドを理解するでしょう。

このテクニックに根気よく挑戦してください。あなたのイヌの行動が大きく上達していることが分かるでしょう。



KEY6. Whisper Walking

イヌの行動的な問題を抱えているクライアントたちが10人いればそのうちの6人は、イヌとの散歩は最も嫌なことの1つだ、と言います。そのイヌたちは、腕が抜け落ちそうなほどリードを引っ張ります。そのほとんどの人たちは、単純な散歩でのケガに耐えています。そこで、全ての散歩の状況を見てみましょう、そしてこの行動的な問題、つまりあなたやイヌにとってとっても楽しめるばかりでなく、両者にとって健康的な体験をダメにしてしまう問題を軽減するように努めましょう。

まず、ほとんどの場合に起こるシナリオから始めましょう。あなたのイヌが庭にいて、あなたが散歩に行こうと決めました。ここでたいてい起こることと言えば、あなたはリードを探し、庭へ行って、イヌがリードを見たときに瞬間的に反応します。あなたに飛びかかり、あなたはリードを付けようと奮闘するでしょう。あなたは何度も何度もトライし、あなたのストレスレベルは上昇し、何度も何度も「オスワリ」を繰り返し、やっとリードを付けることができました!あなたが門の外に出る前でさえ、イヌはすでに興奮しています。


Off to a Good Start
飛びかかってきたり突き飛ばされたりコマンドを叫ばないでいいようにイヌが行動するならば、リードを付けるのはとっても簡単にできるだろう。散歩に行こうと庭へ行く前に、あなたは単に次のように心に決めておいてください。リードを付けている間、イヌが落ち着いて座っているまでは、今日は散歩には行かない、と。さあ、この心構えができたら、リードを持って外へ行き、そして何も言わないでください。イヌが近づいてきたら、あなたは単に「オスワリ」と低くて落ち着いた声で言ってください。そしてコマンドに従ったときだけ、しゃがんでリードを付けてください。たいてい次に何が起こるかというと、イヌが飛び上がり、また暴れだすでしょう。この練習を何度も繰り返してください。しかし今回は、直立した状態でできるだけ高く立ち、イヌが飛びかかっていても動かないように注意してください。イヌが落ち着くまで何も言わないでください。そしてあなたが落ち着いてリードを付けられるまで、同じ行動を繰り返してください。あなたがリードを付けてくれるまで、イヌが落ち着いて座って待っていることに、すぐに気づくでしょう。

私たちは私たちのイヌ科の友達を非常に過小評価をしています。こういった行動をするイヌは、この行動をゲームとして見ています。自分自身をとても興奮させ、悪ふざけた行為が報いられています。成功する結果が得られているのに、イヌはなぜその行動を変えると思いますか?

この世には、学説上でよいとされる方法と、実際に効果があった方法があることに私は気づきました。そこで、いくつかの立証されたトレーニング原理を否定するかもしれませんが、正しく行なえば非常によく効果がある方法を、ここでお教えしたいと思います。

この特別な散歩トレーニングの方法は、非常にゆっくりなペース、実際の蛇のペースで歩くことが必要となります。リードを引いて興奮したり、アドレナリンが増加してしまうペースが速い散歩とは違って、私が考えた方法は、非常に動物を落ち着かせるもので、ヨガのゆっくりのしたペースのようです。

これまでのステップに従えば、秩序を守ったマナーでイヌにリードをつけることに成功し、門の外へ出て、楽しい旅を始めるところでしょう。


Taking Control
一度、門から出れば、ヒールポジションであなたがイヌをコントロールし続け、イヌ自身が安心できるように2回休憩させてください。あなたの家の前にある芝生から離れたところにある木が好ましいでしょう。単に自分のテリトリーを作っているだけなので、これ以上立ち止まったりするのは止めてください。そして、あなたの条件のみで散歩することに集中するようにさせてください。

邪魔にならないところで、あなたの左側に座らせてください。イヌの前足はあなたの足と同じラインになるように、イヌの方があなたの左足と同じラインになるようにしてください。リードは、あなたの体の前で左から右になるように握り、コントロールポジションである左側でイヌを止めているときは右手で握ってください。図のように、左手はクリップからおよそ6,7センチ離れたところ(大きめのイヌ)を持つようにしてください。左足の近くに保ち、リードを短く持ち、できる限りゆっくり歩いてください。あなたがゆっくり歩いていると思っていても、もっとゆっくり歩いてください。どんなときでも、あなたより前にイヌを出さないでください。

イヌの気が散るものを最小限にするために、この方法はコンクリートの道か、同じような感じの道で始めたほうが良いでしょう。一度、あなたの管理のもとで、リードを引っ張ることなくあなたの横で正しくヒールができたなら、その後、草の多い場所に移動することをおすすめします。歩いているときに、もしイヌが右や左に引っ張ろうとしたら、堅固な低い、ほとんど耳障りな声で、「アッアッ(Aah aah)」と叱ってください。もしイヌが時々引っ張るならば、単に止まって、あなたのラインに引き戻し、4秒数えてください。そしてこれを続けてください。

この手順を、毎回の散歩で3,4回行なってください。それぞれの散歩で、イヌが少しでもリラックスしていることに気づくでしょう。そして、次のステージに進みましょう。

イヌを左側して、同じように散歩を始めましょう。しかし、今回は左手のリードを放して、右手はまっすぐ下ろしてください。イヌがゆったりとしたリードで歩きます。イヌはその新しい自由を発見して、たぶん前に引っ張るでしょう。そこで、このようなことが起こったら、左手でもう一度リードを持ちなおし、「アッアッ(Aah aah)」と言いながらあなたのそばに引き戻してください。そしてそばに戻ってきたらすぐに、左手を放して褒めてあげてください。このとき「いい子だね。(Good dog.)」と同時に、単にイヌの頭を1回だけなでてあげてください。

イヌがあなたのそばで歩くようになれば、あなたはゆったりとしたリードで落ち着いて道を歩くことができるでしょう。あなたが止まる必要があるとき、イヌはあなたのそばで待って立っているでしょう。そしてまた、先に動こうとしたら、「アッアッ(Aah aah)」と言って引き戻してください。あなたのそばで待っていられたら、褒めてあげてください。気が付けば、あなたは一番の散歩犬と一緒にいるでしょう。



KEY7. How Dogs Learn

イヌは自分にとってイヤなことや状況を避けることを非常に急速に学ぶ。また喜ばしいこと、そうでないことどちらでも、特定の出来事を導くある動作も非常に速く学ぶ。例えば、もしあなたがいつも同じ戸棚に行ってドッグフードを取っていたら、イヌはすぐにこの動作を夕食が手に入るということに結びつけるだろう。ほとんどのイヌがどうであるが、もしイヌが食べ物の方向を認識すれば、単に戸棚を開けただけでイヌは興奮し始めるだろう。これを古典的条件付け(パブロフの条件反射)と言います。全く違う目的で戸棚を開けたときでさえ、イヌは何か喜ばしいことが起こると予期して興奮するでしょう。

この状況は、あなたがリードに手を伸ばしたときと同じ状況であり、このときはイヌはリードを散歩と結びつけて考えています。興奮状態になり、飛び跳ねたり走り回るでしょう。しかしながら、もしお風呂の時間にだけリードを付けていてイヌが水を嫌っているなら、可能性は、イヌはあなたから逃げようと走り回るでしょう。このときはイヌはリードを喜ばしくないことに結び付けて考えています。

これらの両方の状況は、ポジティブであろうとネガティブであろうと、イヌの頭の中に印象付ける私たちの毎日の生活で起こる出来事がどのように違うのかを示している。イヌが学んでいるカギとなるものは、W.I.I.F.M.原則つまり、それが私にどんな特になるのか(What’s In It For Me?)である。

イヌを含め、他の多くの生物はいろんな与えられた状況の中で、何が自分たちにとって一番なのかを見ている。指示をしてもオスワリをしないイヌの飼い主さんに、もしフードを持って指示したらどうなるか尋ねたとき、答えはいつも同じである。「いいえ、フードのためにいつもオスワリします。」とても面白いことです。それを欲しがっているとき、イヌはなんて早く学んでいるのでしょうか。だから、それがキーなのです。状況が自分にとって好都合であると見ているときは、イヌはとても急速に学んでいるでしょう。あなたは単にイヌより先に、ほうびを与えられる機会をおき、ほうびを受けるには何をしなければいけないかをイヌに示す必要がある。それゆえに、ごほうびトレーニング(reward training)が必要であり、第4章で説明しています。

イヌはまた、関連付けによって学んでいます。あなたはいつもの場所からリードを取り出し、イヌに座るように指示し、リードをつけることができるだろう。イヌはこれらの見覚えのある動作を散歩に行くことに関連付けているので、これを喜ばしい何かであるとつながり、興奮状態になる。


Follow the Leader
地球上の全ての生物の中にイヌ以上の観察人はいないと私は思う。次に散歩に行ったときにイヌを注意深く見てみてください。遠くにいるネコ、運転中の車、あなたの方に向かってくる反対側の道にいるイヌなど動くもの全てを取り付かれたように観察していることに気づいてください。あなたが外出した瞬間から帰宅するまで、イヌは絶えずこれらのこと全て、そしてそれ以上に確かめているでしょう!だからイヌが、相手や環境や私たちを含む行動を観察することから学ぶことは少しも不思議なことではないでしょうか?

イヌはまた、経験からも学んでいる。ドアのそばで吠えていて結局、中に入れてもらえたイヌは、吠え続けることがそのごほうびであると学ぶでしょう。家族が食事をしているときにテーブルに届き、誰かが食べ物をくれるまでクンクンしているイヌは、この方法で食べ物を求め続けるでしょう。なぜなら、経験からこの行動をすれば欲しい食べ物が手に入ると学んだからである。

これは条件付けです。あなたが子供だったように、イヌに座らせてそれを説明することは不可能です。経験と結びつけ(条件付け)のみを通して、イヌは学ぶことができるのです。これを理解することは、イヌをトレーニングすることのためにあります。イヌはいつも自分たちの生活を通して学んでおり、私たちつまり世話をする人は、技術と良い習慣を学ぶためにイヌにとってポジティブな機会を提供することとが必要であり、そうすることによってお互いが相手と調和して暮らすことができる。



KEY8. Wear the Two Hats of Dog Management

もっと効果的にイヌとコミュニケーションをとるために、もし私たちがイヌを扱う考え方を変えるなら、それがすばらしいメリットであるということが分かった。それは、あたかも2つの異なった帽子をかぶっているかのうようである。一つは人間用の考え方のもの、もう一つはイヌ用の考え方のものである。私たちの一番の友達と触れ合うとき、イヌ科の方法で考えることができるようにする必要がある。行動的な問題があるイヌを飼っている私のクライアントにこのことを説明する最もシンプルな方法は、人間用の帽子を取って、イヌ用の帽子をかぶるように要求することです。

たとえ私たちがイヌを家族の一員として見たとしても、決して小さなふわふわした人間ではない、ということを私たちは意識してはっきりと理解することが必要である。そう理解することが困難である人が何人かはいるだろうが、あなたのイヌはイヌであり、イヌはイヌのようにいつも考えるでしょう。これは振舞っているという意味ではなく、イヌは美しい生物であり、単に、人間ではなくイヌにとってのふれあいと適した世話が必要である。このときが、人間の帽子を取り演じさせてくれるイヌの帽子をかぶるときである。

しかしながら、イヌと人間は多くの類似点があるということははっきりしていて、これらの特色は私たちにイヌを愛しいと思わせることである。私たちのように、イヌはとても社会的な動物である。子供のように、イヌは遊ぶことが大好きであり、探検することを楽しんでいる。単に楽しむために群れの他のメンバーと一緒に追いかけごっこやかくれんぼをしている場面が、野生のオオカミではよく観察されている。何人かの人間のように、イヌもまたやきもちを焼く。これらや他の多くの類似点があるので、私たちがイヌと人間を困惑してしまい、常にイヌ科の方法では人間の方法でイヌとコミュニケーションをとろうとしてしまうのは不思議ではない。イヌが指示に従わない状況になったとき、私たちはよく失望し、いらいらする。同様に、これはイヌを困惑させ、それがストレスとなり、悪い行動へと促進してしまう。このように問題を軽減するために、私たちはイヌの観点から状況を見る必要がある。すなわちイヌ用の帽子をかぶり、イヌのように考えてください。


So How Can We Think Like a Dog?
オオカミが自然界でお互いどのように行動し触れ合うかについて理解すればするほど、イヌの観点からいくつかのイヌの問題を見ることは容易である。イヌの自然の本能は、その行動に見受けられるだろう。オオカミやイヌが野生の中でどのように行動するかというたとえを、この本で多く紹介しています。私たちの家の中での状況と群れの状況で起こりうることを比較するために、この知識を使えば使うほど、イヌ用の帽子をかぶっている状況に近づきます。もし自然の世界ではイヌは悪意を持たずに行動している事実を理解すれば、私たちはイヌの悪い行動をより対処することができる。クライアントはよく、遅く帰宅したらイヌが洗濯物にいたずらしていた、というような実例を言います。彼らが最初に思うことはペットを罰しないといけないということです。

私たちが仕事や他の理由で外出するとき、イヌはこれらの人間の活動を理解していないということを理解する必要がある。イヌ科の考えでは、私たちが狩りに出かけている間に自分たちを置いてきぼりにしていると思っている!安心感を与えるものとして洗濯物を引っ張り出し、あなたの帰りを待っているのかもしれない。長い間、一人にされると不安定になってストレスを感じ、自分自身に安心感を与えるために服の上に横になるイヌも中にはいる。これは社会化された動物にとっては、実際には自然な行動である。群れの一員であるという本能はとても強いので、どんな時間の長さでも他の群れのメンバーから引き離されるのは好まない。

オオカミは一般的に、自分たちより大きな獲物を追い求めたり射止めたりするためのチームとして行動する完璧な群れとして一緒に狩りに行くだろう。当番性の群れであればあるほど、より有能にすばやく殺すことができる。しかしながら、何匹かの群れのメンバーを残す場合もあり、その場合はたいていは、世話をしなければいけないパピーがいる場合や、病気、けが、狩りには役に立たない年老いたオオカミがいる場合である。パピーたちがいる場合には、少なくとも母親やベビーシッターオオカミが、世話をする世話団体を持っている。たとえそうでも狩りが長く続いたときは、残されたオオカミたちは群れが戻ってくるまでとても心配でたまらないだろう。

言うことを聞かないのであなたはイヌを外に追い出したら、イヌが庭で穴を掘った。このことについてどう思いますか?仕返しとしてイヌがこの行動をとったとあなたが考えるのは自然ですが、実際この行動が起こったときは、注意を向けるためのもの(attention seeking)のようである。イヌはあなたの注意を引こうとしていて、それが効果的であるということも分かっています。あなたが出ていってイヌに叫んだとしても、少なくともあなたが外に出ていたということになります。あなたが怒っていたとしても、外で一人にさせられるよりははるかにいいのです。人々や飼い主と正しく触れ合えないイヌは、しばしば注意(attention)を懇願し、どんな注意(attention)でも何もないよりはよい。

仕返しをすることや悪意を抱くかと言えば、いいえそうではありません。イヌはそんなことは考えません。イヌの考えることはもっと今現在のことです。以前体験した喜ばしくないことをイヌは避けるでしょう。おいでと言ってもあなたのところには来ないようなことです。それはなぜなら、たった一度でも、おいでの指示にしたがって叱りつけたことがあるからです。しかしながら、これはイヌが恨みを抱いているという意味ではありません。この一度の経験がイヌの頭に刻み込まれているのです。

もしあなたのイヌがバックドアのところに座っていて中にいれてほしいとクンクン鳴き、あなたは止めるように数回大声をあげたとしても結局は中に入れたならば、あなたが望みどおり静かになったけれど、イヌは毎回、中に入れてもらうためにクンクン鳴くようになるでしょう。たくさんクンクン鳴いたら、最初はあなたは怒るけれど結局は弱いということをイヌは知るでしょう。この状況で、しつこさが報いられるということを学びました。これが、あなたがイヌ用の帽子をかぶらなければならない理由のもう一つの例えです。あなたは単にこの行動を強化し、イヌを勝者にしているということです。中に入れるように要求してクンクン鳴くイヌは、静かにそこに座るまで決して中に入れるべきではありません。もし中に入るにはそれが唯一の方法であるとイヌが知れば、くんくん鳴くことを止め、単にドアのところに来て根気よくそこに座ることをすぐに学ぶでしょう。

単にイヌの考え方を理解することによって、悪い週間を簡単になくすことができます。私たち人間はある行動を刺激する悪意や復讐というような特性を持っていますが、イヌはもっぱら違う理由で行動します。


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